国土緑化推進機構 常務理事 瀬戸 宣久 様とダイドードリンコ 執行役員 自販機営業本部長 齋藤 和男が、緑の募金・環境をテーマに話し合う特別対談、後編です。
【後編】「緑の募金」はどのように活用されているの?環境問題に取り組む意義とは?
前編では、「緑の募金自動販売機」の立ち上げ経緯・当時の環境取り組みについて伺いました。
前回の記事:「緑の募金自動販売機」20周年記念!どうして「緑の募金自動販売機」は作られたのか?
後編では、緑の募金自動販売機の設置先・募金先の声、環境問題に取り組む意義についてお2人にお話しいただきます。
目次
1 募金は国内外問わず「地域のニーズに応じた」緑化活動に活用 2 環境問題は一人ひとりがジブンゴトとして捉え、向き合うことが必要 |
募金は国内外問わず 「地域のニーズに応じた」緑化活動に活用 |
―「緑の募金自動販売機」(以下、緑の募金自販機)の設置先様から感想はありましたか?
齋藤:CO₂の吸収や電気使用量の削減などそれぞれ数値目標を掲げていらっしゃる企業様が増えてきている中で「企業への設置が社員に対する環境教育や啓発に役立つ」という声をよく聞きます。
SDGsもそうですが、何から始めたら良いか分からないという企業様が多い中で、自動販売機から飲料を一本購入するだけでも貢献に繋がるということを知ってもらえると嬉しいです。
―緑の募金はどのように活用されていますか? 瀬戸様:当機構の緑の募金では、毎年公募という形で事業を募集し、その取り組みを支援する財源として使用させていただいております。 NPOや市民団体等による森づくり活動を主に支援していますが、東日本大震災の発生以降、地震や豪雨といった自然災害の被災地域復旧支援に限定した募金を立ち上げ、地域のニーズに応じた緑化活動などを支援しています。 他にも国内外問わず、森林・里山の保全整備、資源の循環的な利用、緑化の推進、次世代の森づくりリーダーの育成などに役立てています。 |
―支援先様からの感想は聞かれましたか?
瀬戸様:支援先からは「荒廃した森林を地元の人の手で緑化することは、陸や海の豊かさを取り戻すだけでなく、地域への親しみや愛情を育てることにも繋がっている」という声がありました。
学校が参加する活動では、子どもたちからは「森がきれいになり歩けるようになって嬉しい」「コロナで学校でもあまり活動ができないけれど、野外で活発に遊んだり歌ったり汗をかいて活動ができて気持ち良い」、教員からは「教室では見えない自主的な行動が見えて、野外での環境教育の重要性を感じた」など嬉しい声を聞きます。
家庭内や学校内では見ることができない子どもの一面が分かるといった点で、こういった取り組みへの親子での参加はとても良い体験になるのではないかと思います。
環境問題は一人ひとりが ジブンゴトとして捉え、向き合うことが必要 |
―今後の展望をお聞かせください。
瀬戸様:早くコロナが落ち着いて、市民活動が増えてくることを期待します。
そういった活動を緑の募金を活用してDyDo様と一緒にサポートし、関係者の協働によりSDGsの達成に貢献していきたいと思います。
当機構だけではなかなかPR活動が出来ない中で、自動販売機を通して緑の募金を皆様に知っていただけるとありがたいです。
齋藤:当社もSDGsの目指す未来のために、社員一人ひとりが考え行動に移すこと、そして社内で共有し発信していくことが私たちの責務だと思います。募金自販機を展開する「その先の未来をどう描くか」を多くの方々に賛同いただき活用出来たらと考えます。
―この20年を振り返っていかがでしたか?
瀬戸様:SDGsに対する分野や世代を超えた関心の高まりは、自然災害の多発などにより、個人や団体を問わず自らの生存への危惧がこの20年間で増大してきた反映かなと思います。
途上国を対象にしているMDGsと違って、SDGsは先進国も含めてのことですので、世界中が一体となって取り組んでいかなければなりません。
齋藤:当時を振り返ると、映画「デイ・アフター・トゥモロー」を営業担当者全員で見に行ったことを思い出します。
地球温暖化で氷河期を迎え滅亡する内容でしたが、20年経った現在、映画と現実世界がリンクし、深刻であることを身に染みて感じます。
環境問題は正しい知識を知ることがとても重要ですので、一人ひとりがジブンゴトとして捉え、向き合っていく必要があると思います。
―緑の募金自販機を設置するメリットは何ですか? 齋藤:テクノロジーの進化と自然との共生は切り離せない時代において、緑の募金自販機はより多くの方々が環境問題に取り組めるきっかけになると思います。自動販売機は誰もが気軽に利用することが出来るものですので、簡単なところから環境対策に参画出来るといった点が魅力です。
瀬戸様:設置先様にとってはSDGs達成に向けて比較的取り組みやすい仕組みであり、DyDo様にとっても自動販売機の設置に繋がる、緑の募金にとっても寄付額が増えることでより多くの活動を支援することが出来る、まさに「三方よし」のモデルと思います。 |
―最後に、環境問題に取り組む意義についてお聞かせください。
齋藤:2030年、2050年を迎える時、世界中の人々が楽しく健やかに暮らせる時代になってほしい、ならなくてはいけないと考えます。
産官学公民連携によって、環境・社会・経済の観点から物事を考え、一人ひとりが行動に移すことを願っています。
次世代に繋いでいくためにもまずは私たち大人がもっとジブンゴトとして捉え、考えて取り組んでいかなくてはと感じます。
瀬戸様:次世代に対してどういった地球を残していきたいのか考える必要があると思います。
現在、地球のキャパシティが一杯になりつつある状況であり、環境を考えずに経済発展することも、経済を考えずに環境保全することも、その余地はなくなっているのではないでしょうか。
経済と環境の両立は大変厳しくなっていくと思いますが、その観点から脱炭素、循環型社会の実現に向かって、地球上の全ての個人・組織が、それぞれ出来る努力をしていくことが求められていると思います。
当機構は「国民参加の森林づくり」という自分たちが出来る範囲で森づくりに関わるという事業を展開していますが、この地球においても同じことが言えると思います。
それぞれが自分に出来ることを取り組んでいくことが大切だと感じます。
瀬戸様、齋藤本部長 ありがとうございました。
今後も日本全国で「緑の募金自動販売機」を積極的に展開し、少しでも国内外の緑化推進活動を盛り上げることができれば幸いです。
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