国土緑化推進機構 常務理事 瀬戸 宣久 様とダイドードリンコ 執行役員 自販機営業本部長 齋藤 和男が、緑の募金・環境をテーマに話し合う特別対談、前編です。
【前編】「緑の募金自動販売機」20周年記念!どうして「緑の募金自動販売機」は作られたのか?
自動販売機の売上の一部が緑化推進活動に募金される「緑の募金自動販売機」。 2021年に20周年を迎え、現在は3,000台を超える規模にまで展開が拡大しています。 昨今は気候変動や地球温暖化の影響でSDGsが注目され、脱炭素社会や森林整備ボランティアへの関心が高まっておりますが、立ち上げ当初はどのような状況だったのでしょうか? 20周年特別対談として、国土緑化推進機構 常務理事 瀬戸 宣久 様とダイドードリンコ 執行役員 自販機営業本部長 齋藤 和男へのインタビューを前編・後編に分けてお届けします。 |
目次
1 飲料の自動販売機を「緑の募金箱」として活用出来たら… 2 立ち上げ当初の環境意識はまだまだ助走段階 |
飲料の自動販売機を 「緑の募金箱」として活用出来たら… |
―「緑の募金自動販売機」(以下、緑の募金自販機)はどのような経緯で企画されたのですか?
齋藤:美味しい飲料は綺麗な水なしには出来ないものであり、綺麗な水は森が育むと知ったことがきっかけです。
その綺麗な水を育む森林を保全する活動に貢献するため自動販売機を「緑の募金箱」として活用出来たらと考え、企画が実現しました。
当時、弊社では募金型の自動販売機というものはなく、緑の募金自販機が初めての募金型の取り組みでした。
東京エリアに限らず全国各地の社員に環境問題について理解してもらいたく、全国の営業責任者が集まる会議で緑の募金自販機を発表したところ、自然豊かなエリアからの反響が大きく、長野県や山梨県などを中心に展開が進みました。
成功事例を共有していくうちにそれ以外のエリアでも展開が広がりました。
瀬戸様:立ち上げ当初、私は在籍していなかったのですが、当機構で仕事を始めてから緑の募金自販機のことを知りました。
DyDo様が緑化推進の活動や緑の募金についてご理解いただいていることに大変ありがたく思いました。
また、DyDo様だけでなく設置先様や飲料購入者の方にまで緑化の想いが伝わる素晴らしい取り組みであると感じました。
設置台数が増えているということは緑化に対して理解してくださる人が増えているということになりますので、とてもありがたく感じています。
齋藤:電気を使用しCO₂を排出する自動販売機での取り組みを国土緑化推進機構様が許可してくださったことに驚きました。
新しいことに取り組むのはハードルが高い中で、初めに緑の募金自販機にご理解いただいた方には本当に感謝しています。
―第1号機はどのように設置されましたか? 齋藤:第1号機は「関東森林管理局東京事務所様」に設置いただきました。まず展開を始めるにあたってデザインや提案書を作成しました。 その提案書を携えて関東森林管理局東京事務所様へご説明したことを昨日のことのように思い出します。 森林・林業に関して取り組まれている法人様ですので「これは良いね!」と、緑の募金自販機に対してすぐにご賛同していただき大変ありがたかったです。 |
立ち上げ当初の 環境意識はまだまだ助走段階 |
―立ち上げ当初(2001年)の環境に対する世間の姿勢はいかがでしたか?
齋藤:京都議定書が1997年12月に採択され少しずつ行政や自治体、企業団体とCO₂排出の課題に着手しようとしている時期でした。
今は自動販売機の省エネ化が進みましたが、当時は現在の3倍ほど電力がかかっていました。
瀬戸様:京都議定書では、CO₂吸収源として森林の役割への理解が進みつつあり、国際的に吸収量算定方法が決定された頃でしたね。
2001年にSDGsの前進であるミレニアム開発目標MDGsが国連で設定されましたが、SDGsほどの盛り上がりはなく、まだまだ助走段階だったように感じます。
2003年には、当機構で「森林ボランティアの日(9月の第3日曜日)」を制定しました。
―展開において苦労された点はありますか?
齋藤:社内の営業担当者へ環境に対して興味を持たせたり、知識を向上させたりすることが大変でした。
会議で成功事例を共有していくうちに徐々に理解が広がり、現在約3,000台の設置に繋がったと思います。
業務を一元化することも初めてのことでしたので苦労しました。
瀬戸様:嬉しい悲鳴ではありますが、緑の募金自販機の台数が増えていくことで領収書発行の業務が複雑化することが懸念されました。
しかし、DyDo様が常に情報整理をしっかりとしてくださっているため、特に苦労はありませんでした。
後編では、緑の募金自動販売機の設置先・募金先の声、環境問題に取り組む意義についてお2人にお話しいただきます!
>後編へつづく